判例コーナー

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2020年09月29日

平底幅広浚渫用グラブバケット事件(進歩性の判断規範と一致点・相異点の認定の仕方,一事不再理等)

進歩性の判断における特許発明と主引用発明との間の相違点について,課題解決の観点 から「まとまりのある構成」を単位として認定するのが相当であるとし,また,一事不再 理における「同一の事実」について,形式的な主引用例の違いで […]

2017年03月24日

H29.3.24 マキサカルシトール事件(平成28年(受)第1242号 特許権侵害行為差止 請求事件 最高裁判所第二小法廷)

マキサカルシトールを含む医薬品の製造方法の特許権者である被上告人(原告・被控訴人)が,上告人(被告・控訴人)らの輸入販売等に係る医薬品の製造方法は,上記特許の構成と均等なものであり,その特許発明の技術的範囲に属すると主張 […]

2017年02月28日

H29.2.28 【商標】エマックス事件(最判平成29年2月28日判決・平成27年(受)第 1876号)

[除斥期間経過後の無効の抗弁,権利濫用の抗弁] 商標法47条所定の5年の除斥期間が経過し,商標法4条1項10号違反を理由とする無効審判請求権が消滅した場合に,侵害訴訟の場で,当該無効理由を主張し,商標権の権利行使を阻止す […]

2016年09月20日

H28.9.20二重瞼形成用テープ事件(平成27年(行ケ)第10242号 審決取消請求事件 知的財産高等裁判所第3部)

経時的記載があるクレームについて,形式的にはクレームに経時的要素の記載がある場合でも,当該製造方法による物の構造又は特性等が明細書の記載及び技術常識を加えて判断すれば一義的に明らかである場合には,特許法36条6項2号との […]

2016年03月25日

H28.3.25 マキサカルシトール事件大合議判決(平成27年(ネ)第10014号  特許権侵害行為差止請求控訴事件 知的財産高等裁判所特別部)

知財高裁が,大合議判決として,均等侵害成立のための5要件に関し,主張・立証責任の所在,並びに第1要件(非本質的部分)及び第5要件(特段の事情)の具体的判断基準等を示した事例 [大合議,均等,侵害] H28.3.25 マキ […]

2016年03月15日

H28.3.15定着部材の製造方法事件(訂正2016-390005号 訂正審判事件 特許庁)

いわゆるプロダクト・バイ・プロセス・クレームについて,物の発明から物を生産する方法の発明に変更する訂正を,「明瞭でない記載の釈明」にあたり,また「実質上特許請求の範囲を拡張し,又は変更するもの」にはあたらないとして,認容 […]

2015年06月5日

H27.6.5 【特許】プロダクト・バイ・プロセス・クレーム事件(最判平成27年6月5日 判決①平成24年(受)第1204号,②同第2658号)

H27.6.5 【特許】プロダクト・バイ・プロセス・クレーム事件(PDF) 2015.6.15判決①平成24年(受)第1204号(PDF) 2015.6.15②同第2658号(PDF)

2014年07月8日

FRAND宣言に関する意見書

FRAND宣言に関する意見書(PDF)

2014年04月30日

H26.4.30 桜吹雪事件(平成24年(ワ)第964号 著作権侵害差止等請求事件, 東京地方裁判所民事第29部)

映画の著作物について複製権侵害が認めた事例著作権侵害について,著作権者自らが侵害品と競合する製品を販売していない場合であっても,著作物につき利用許諾をして利益を得られる蓋然性があれば,著作権法114条2項の適用が認められ […]

2013年02月28日

H25.2.28 ピオグリタゾン製剤併用医薬事件(平成23年(ワ)第19435号, 同第19436号各特許権侵害行為差止等請求事件 東京地方裁判所民事第47部)

糖尿病等の予防・治療用の併用医薬特許(組合せ特許)について,被告らによるピオグリタゾン製剤(単剤)の製造販売行為は直接侵害に当たらず,被告ら製剤が特許法101条2号における「発明による課題の解決に不可欠なもの」とは認めら […]

2013年02月28日

H25.2.28 iPhone事件(平成23年(ワ)第38969号債務不存在確認請求事件 東京地方裁判所民事第46部)

FRAND宣言をした特許権について,特許権者はFRAND条件によるライセンスの申出があった場合には当該者との間でライセンス契約の締結に向けた交渉を誠実に行うべき義務を負うとして,被告の行為は重要な情報を提供し誠実に交渉を […]

2012年09月10日

知的財産法実務研究会 5月定例会 レジュメ-ピンクレディー事件最高裁判決 の検討

知的財産法実務研究会 5月定例会 レジュメ-ピンクレディー事件最高裁判決 の検討(PDF)

2012年02月2日

H24.2.2 ピンク・レディー事件 (平成21年(受)第2056号 損害賠償請求事件 最高 裁第一小法廷)

人格権に由来する権利としてパブリシティ権の法的権利性を認め,他人の肖像等を無断で利用する行為は,それが専ら肖像等の有する顧客吸引力の利用を目的とするといえる場合に,パブリシティ権侵害として不法行為が成立すると判示した事例 […]

2012年01月27日

H24.1.27 プロダクト・バイ・プロセス・クレーム大合議事件(平成22年(ネ)第10043 号 特許権侵害差止請求控訴事件 知的財産高等裁判所特別部)

いわゆるプロダクト・バイ・プロセス・クレームの技術的範囲及びクレームの要旨認定について,物の構造又は特性により直接的に特定することが出願時において不可能又は困難であるとの事情が存在しない場合は,その技術的範囲及び発明の要 […]

2012年01月17日

H24.1.17 名作映画DVD事件(平成22年(受)第1884号 著作権侵害差止等請求 事件 最高裁判所第三小法廷 )

旧著作権法の下で,映画監督の氏名を実名で表示して公開された映画の著作物について,被上告人が旧著作権法6条が適用され,著作権の存続期間は満了したと信じたことに相当な理由はないとして,原判決を破棄し,被上告人の過失を認めた事 […]

2011年12月20日

H23.12.20 ARIKA事件(平成21年(行ヒ)第217号  審決取消請求上告事件 最 高裁判所第三小法廷 )

商品又は役務の意義は,「 商標法施行令別表の区分に付された名称,商標法施行規則別表において当該区分に属するものとされた商品又は役務の内容や性質, 国際分類を構成する類別表注釈において示された商品又は役務についての説明,類 […]

2011年10月28日

H23.10.28 マグネシウム合金熱間圧延装置事件(平成22年(ワ)第2863号 特許を 受ける権利の確認等請求事件 東京地方裁判所民事第40部 )

守秘義務を負っている製造委託先が第三者に秘密事項を開示し,開示を受けた第三者が出願した特許出願について,原告が特許を受ける権利の確認訴訟を提起したが,原告が開示した秘密事項と,本件特許出願には相違があり,かかる相違点につ […]

2011年09月13日

H23.9.7 切り餅事件控訴審中間判決(平成23年(ネ)第10002号) 特許権侵害差 止等請求控訴事件 知的財産高等裁判所第3部)

①「特許請求の範囲の記載」全体の構文も含めた,通常の文言の解釈,②本件明細書の発明の詳細な説明の記載,及び③出願経過等を総合するならば,,餅の上面に切り込み部が(付加的に)設けられていたという構成について,本件発明 は, […]

2011年07月14日

H23.7.14 ミニバスケット事件(平成22年(ワ)第11899号 不正競争行為差止等請 求事件 大阪地裁第26民事部)

不正競争防止法19条1項5号イの「最初に販売された日から起算して三年を経過した商品」とは,保護を求める商品形態を具備した最初の商品を意味し,このような商品形態を具備しつつ,若干の変更を加えた後続商品を意味しないとして,侵 […]

2011年06月30日

H23.6.30 モンシュシュ事件(平成22年(ワ)第4461号 商標権侵害差止等請求事 件,大阪地裁第26民事部)

1 被告商標の構成部分の一部を要部として認定し,被告標章が原告の有する商標権にかかる商標と類似すると判断した事例 2 被告標章にかかる「モンシュシュ」が,被告の略称として著名であるとは認められず,被告標章は「被告の著名な […]

2011年06月23日

H23.6.23 食品の包み込み成形事件(平成22年(ネ)第10089号 特許権侵害差 止請求控訴事件 知財高裁第4部)

当該特許発明を実施しない機能のみを使用し続けながら,当該特許発明を実施する機能は全く使用しないという使用形態がその物の経済的,商業的又は実用的な使用形態として認められない限り,その物を製造,販売等することによって侵害行為 […]

2011年06月9日

H23.6.9 乾海苔の夾雑物検出装置事件(平成19年(ワ)第5015号 特許権侵害差 止等請求事件,大阪地方裁判所第26民事部)

① 共有持分権者らによる特許権侵害に基づく損害賠償請求訴訟において,共有持分権者ら(2名,持分はそれぞれ2分の1)が,訴訟提起に先立ち,本件訴訟によって得られるべき損害賠償請求権について,本件特許権の共有持分の割合に応じ […]

2011年05月26日

H23.5.26 データ復旧サービス事件(平成23年(ネ)第10006号 損害賠償等請求 控訴事件 知的財産高等裁判所第4部)

控訴人が,ウェブサイトにデータ復旧サービスに関する文章を掲載した被控訴人の行為は,①控訴人が創作してそのウェブサイトに掲載したデータ復旧サービスに関するウェブページのコンテンツ または広告用文章を無断で複製または翻案した […]

2011年05月19日

H23.5.19 メタルハライド光源装置用の交換ランプ事件(平成22年(ネ)第10088 号 不正競争行為差止請求控訴事件 知的財産高等裁判所第2部)

商品の有する形態が独自の特徴を有するか否かの判断においては,当該商品の形態と同一商品の形態との対比に限定される合理的理由はなく,当該商品と類似する品目の商品の形態をも念頭において需要者・使用者の認識を検討すべきで あり, […]

2011年05月17日

H23.5.17 出版大学事件(平成23年(行ケ)第10003号 審決(不服・請求不成立) 取消請求事件,知財高裁第2部)

「出版大学」との文字を含む本願商標(指定役務:第41類(技芸・スポーツ又は知識の教授,セミナーの企画・運営又は開催,電子出版物の提供,図書及び記録の供覧,書籍の制作,教育・文化・娯楽 ・スポーツ用ビデオの制作(映画・放送 […]

2011年04月28日

H23.4.28 パシーフカプセル30mg(放出制御組成物特許)事件(平成21年(行ヒ) 第326号審決取消請求事件,最高裁判所第一小法廷)

特許権の存続期間の延長登録出願について,有効成分及び効能 ・効果を同じくする先行医薬品についての薬事法上の承認が先行してなされている場合であっても先行医薬品が出願に係る特許権の技術的範囲に属しないときには,延長登録出願を […]

2011年04月27日

H23.4.27 Gold Loan事件(平成22年(行ケ)第10327号 審決取消請求事件, 知財高裁第3部)

引用商標「CitiGold Loan」の特徴的部分は,「CitiGold」の部分であって,「Gold Loan」の部分ではないから,本願商標「MITSUISUMITOMOCARD Gold Loan」と引用商標の類否判断 […]

2011年04月14日

H23.4.14 電界放出デバイス用炭素膜事件(平成22年(行ケ)第10247号審決取 消請求事件,知財高裁第4部)

(製造方法の具体的な記載がなくても)本願明細書には,本願発明1に係る炭素膜の製造方法が記載されているところ,記載された条件の中で,当業者が技術常識等を加味して,具体的な製造条件を決定 すべきものであり,これにより本願発明 […]

2011年04月7日

H23.4.7 フルオロエーテル組成物及び,ルイス酸の存在下におけるその組成物 の分解抑制法事件(平成22年(行ケ)第10249号,第10250号 審決取消請求事 件,知財高裁第2部)

請求不成立との第1次無効審決に対する審決取消訴訟において,実施可能要件違反を理由として審決を取消す旨の判決がなされ,数値限定にかかる訂正請求がなされたところ,第2次審決では,依然,実施可能要件違反である旨の判断がなされた […]

2011年03月31日

H23.3.31 ひこにゃん事件(平成23年(ラ)第56号 仮処分申立却下決定に対する 抗告申立事件,大阪高裁第8民事部)

地方公共団体によるキャラクターデザインイラストの公募による著作権譲渡契約において,著作権法61条2項の推定が適用され,その覆滅が認められた事例[著作権法61条2項,キャラクター]  H23.3.31 ひこにゃん事件(平成 […]